設楽建設社長、事業拡大のためカナダへ(人生で最も楽しかった授業とコンクリートについて)
愛知県に本社を置く設楽建設が、カナダへの進出を模索していることが14日、関係筋への取材で分かった。
代表取締役の設楽氏が自らカナダへと渡り、The University of British Columbiaで工事受注の機会を伺うとともに、
戦略マネンジメントとスタートアップの成長について知見を広げるという。
以下、飛行機内で彼がまとめた文章を引用する。
(…笑、どうも、だーらです!
そんなわけで、今学期に社会基盤学科で開講されたとある授業が、小学校入学以来最もexcitingだったので、紹介したいと思います!)
社長ご挨拶
関係者の皆様!こんにちは!
設楽建設 代表取締役社長です。
いや~つい数か月前に創業した設楽建設も、燃えるような勢いで事業を拡大しておりまして、
ついにカナダへと進出することになりました!!
株主や発注者の皆様への感謝は、尽きることを知りませぬな。
いきなり話はそれるのですが、私は今、飛行機に乗っております。
しかも…
でござい! あの「じゃ・る」でござい!!
もう感動しちゃって…
機内食がうまい! し、みそ汁がついてくる!!
見たか、カナダ人よ。これが、miso-soupだ!!
しかもしかも、機内食を食べ終えたころにサービスされたのは
は~~~げん・だぁぁぁぁっっっつ!!
みたか、これがJALだ。
これが日本政府のバックアップを受けた、日の丸を背負う航空会社だ!!
JALさんよ、是非次は、おもちもちもち雪見だいふく も提供してやってほしい。
度肝を抜かす、庶民の味方、餅とアイスの新結合を生み出した、イノベーションプロダクトなのだから!
話を戻そう。
設立の背景
設楽建設は、社会基盤学科の「基礎プロジェクトⅡ」という授業の中で操業を開始した、いわゆる
である。
(「基礎プロジェクトⅡ」は、コンクリート研究室と建設マネンジメント研究室が共同で提供する、2単位の科目だ。)
会社所在地は、愛知県設楽町。
Visionは「建設を楽しく」
Missionは「世界のどこかを支える基盤を創る」
ライバル会社も多い。
なんと、社会基盤学科では我が社を含め12社が起業したのだ。
それぞれ4人ほどのグループで、
工事(コンクリート実験)や、入札シミュレーションを行い、
最終利益を競争する。
もちろん、作成したコンクリートが発注者(先生)の要求を満たせなかったら
損害賠償を被る
し、書類不備を防ぐためにTAのコンサルを使うなら
コンサル料がかかる。
1学期間、コンクリートの配合設計から施工(実際に作成)、
発注者との契約交渉、見積書や会社レポートの提出、
全12社での競争入札、談合
まで、幅広い内容を経験する。
会社の最終利益が、成績にも関わるというのだから皆必死だ。
一区切りついたところで私は身一つ、事業拡大という名目でカナダへと渡航しているというわけだ。
決して猛暑からの逃亡ではない。
息子のようなコンクリート
コンクリートは、冷たく、無機質で、まったく魅力的でない、
そんな印象を持っていないだろうか?
昔、とある芸人が言っていた。
彼がもっとも性的な興奮を覚えにくい日本語の単語は、
「コンクリート」
だそうだ。
たしかに、「木」や「プラスチック」や「飛行機」や「空」と比べても、
「コンクリート」が一番、、、うん、そんな感じとは程遠い。
しか~~し!
コンクリートってすごく手がかかるし、色々と考えてあげなきゃいけない物質なのです。
少しだけ紹介しますね!
セメントとコンクリートは違う
同じだと思いますよね!でも違うんです。
「コンクリート」は、「セメント」という「粉」にいろいろ混ぜて、固めてできるものなんです。
セメントに加えるいろいろとは、粒の小さい砂や、砂より少し大きめな砂利、水など。
エコのために、灰や、鉄を作るときにできる粉、を混ぜることもあります。
魔法の液体も存在して、すこ~し混ぜるだけで、一気にぱさぱさだったコンクリが、どろどろになったりするんです。
しかも、そもそもの粉である「セメント」にも、
すぐ固まるやつ、とか、熱を出しにくいやつ、
とかいろいろ種類がある。
「何」を「どれだけ」加えるか、
これだけで作られるコンクリートの種類は無限大!!
先行研究に学びながら、うんうんうなって決めた配合設計で練ったコンクリートは
もはや
「息子」
です。愛が芽生えます。
コンクリートは「乾いて」固まるのではない!むしろ逆!
一度は見たことありますか?固まる前のコンクリート。
渇く前に、猫が歩いちゃって、足跡がついちゃったりとか…笑
という、上の文には誤りがあって、
コンクリートは「乾く」のではない
のです。
むしろ逆で、水と結合して、固まってゆくのです!
初めて知った時は意外でしたね。
だから、実際の工事でも、水分が供給されるように膜で覆ったり、水を掛けたりする。
今回の演習でも、
湿潤に保てるオプション
が用意されていて、それを選ぶには3億円課金しなければならなかったのです!(会社の総資産が25億円なので、結構大きい。しかし結果的には全12社が利用しました。)
まずまずの成績
設楽建設は、我が社の優秀な社員の活躍により、
非常に質の良いコンクリートを作り上げることに成功しました。
全12社中、唯一コンクリートの性能による減点が無かった会社!拍手!
しかし、逆にオーバースペックで材料費がかさんだり、
入札シミュレーションがうまくいかなかったりして、
最終的には「まずまず」の黒字を収めて今期は終了。
いろいろと次回に生かせそうな反省点も見つかり、私も海外とのコネを作成して(笑)、
次期は莫大な利益を上げられる見込みです!!
…とか言って、もうこの授業は終わりなんですけどね(笑)
双方向的な授業、深まる学び
もはやだーらに戻ってますが、
後期課程で、この学科に来てよかったと思う点の1つは
双方向的な授業が多い
ことです。
アウトプットを出さなきゃいけないわけですから、しっかり理解せざるを得ませんし、
体や頭や口や手を動かすから眠くならない。
アメリカのNational training laboratories が、学習定着率に関するデータを公表しています。
Lectureでは5%、Readingでは10%の定着率であったのに対して、
Discussion groupでは50%、Practice doingでは75%という高い定着率を示しています。
そしてなにより
楽しい
ですね!
一緒にプロジェクトに取り組んだ同期との仲は深まります。
大学にくる意義の一つ「人脈」を、自然と作ることができます。
もちろん座学も必要で、今回も何も知らなければ調べる検索ワードすら思いつかないわけですけど、、、
社会に出る前に座学で学んだことを実践する機会は、
全ての学生に与えられるべきだ
と思います。
もっともっと、小中高と大学まで含めた教育が、磨かれていくことを願ってます!
以上です。
さあ、フライトはあと、5時間。
映画なんて見てる暇はなくて、この原稿を下書きに保存したら、
たまっているレポートをやつけていきますか。
カナダでどのくらい更新できるか分かりませんが、ちょくちょく書ければなと思います!