2週間越しに同じ浮浪者に遭遇したので尾行してみた話と、「世界で最も住みやすい都市」の裏の顔
こんにちは。だーらです。
日本に帰国しました!
前回の記事、
「虹色にそまる街」・「駅のアナウンス」から見て取れる、ダイバーシティの街バンクーバー - da-ra’s blog
に引き続き、今回はバンクーバーの影、裏の顔について書いていきたいと思います。
「地球の歩き方」で、治安が悪いので避けるように指定されているエリアに1人侵入し、
そこで遭遇した浮浪者を尾行した話です。
この浮浪者には、その日の2週間前にも市内の別の場所で出会っています。
まずは治安のよい話
裏の顔を話す前に、まずは表の顔を少し紹介。
バンクーバーはマジで最高!
基本的に安全です。
海沿いにあるこの公園、
上半身裸で焼いている男性や、お昼寝をしている夫婦がいます。
平和そのもの。
僕も1人ごろーと横になって、30分ほどお昼寝✨
交通マナーは日本よりはるかに良くて、
横断歩道を渡ろうとしたとき、車が止まってくれないことはほとんどありません。
お酒の年齢確認は超厳格で、
基本的には2枚の身分証明証が必要です。
「世界で最も住みやすい都市」に5年連続で輝くほどの人気。
観光客も多く訪れ、ダウンタウンは賑わいにあふれています。
観光地から徒歩3分、突然変わる街の風景
バンクーバーのメイン観光地、ガスタウン。
Water Streetと言われる1本の道沿いに500mほど伸びるこのエリアは、
おしゃれなお店、レストランが軒を連ねた、美しい街並みが広がっています。
その終点には銅像が立っていて、
それより後ろのエリアには立ち入ってはいけないよ、
と「地球の歩き方」には書かれています。
銅像からわずか3分程度歩いてたどり着くこの道沿いでは、
それまでの平和なバンクーバーとは一線を画した光景が広がっています。
たまたまそのエリアを掠りそうになったときに、街をパトロールする2人の警官に遭遇し、
この2人の後を追ってどんなとこに行くのか見てみようかな?、
警察のそばにいれば安全だし!
と思ったのがきっかけでした。
浮浪者、麻薬中毒者、ごみであふれる大通り
少し中心部を離れた瞬間に、景色は一変します。
急に増えるごみ。
道に座りこんで、薄汚い服や、ビデオや、電子機器を売る人々。
小刻みに足踏みをしながら歩くやせ細った女性。
僕に ”Smoke?” と声をかける(多数の)浮浪者。
高密度で集まった、車椅子の方。
タバコなのか大麻なのか、漂う煙。
おしっこのツンとするにおい。
生ごみの腐ったにおい。
頭がいってしまった人ばかりなのか?
なぜこの女性は、警察の隣で、ペットボトルに入った水を頭にぶっかけているのだろうか?
救急隊員と警察に囲まれているこの男性の周りには、なぜ水たまりができていて、なぜ本人は元気そうに警察に絡んでいるのだろうか?
通り沿いの建物には、鉄格子が張られている。
これはホテルだろうか、中から裸の男が外を見つめている。カーテンはボロボロだ。外観も。
片側2車線、複数系統のバスも走る大通りで、
観光地も近くて、
しかも平和だと思っていた街バンクーバーで、
なんという光景が広がっているのだろう。
後ろをつけていた警察官は、とっくに追い越してしまった。
常に緊張。鳥肌たちっぱなし。
目は合わせない。
赤信号で止まりたくない。
いつでも逃げられるように、靴紐を結び、アキレス腱を伸ばしておく。
もう引き返した方がいいかな?
…いや、でも、このスリルがたまらない。
街の裏の顔を見る衝撃。もう少し、もう少しだけ、ここを探検してみようか。
↓これは、実際に僕が撮影した動画です。
うわ!あいつじゃん!!今度は何をするのかな??
1時間ほど歩いていけるところまで行き、引き返して帰路についていたころ。
なんと、2週間前に市内の別の場所で出会った浮浪者に再会したのです!!
2週間前の出来事は、このツイートを参照。
バンクーバーのとある駅前。物乞いをする痩せた中年男性を10分間見ていた。その間、4人がコップにコインを入れる。彼はポケットから煙草を取り出し、見えないようにふかす。僕たちが出発するその時、彼は若い女性に迫り、スーパーの袋まるまる1つを奪う。衝撃的な光景だった。止める勇気がなかった。
— だーら (@3tdara) July 23, 2018
いやこれは運命だ!
ちょっと行動を観察してみるか!!
20時20分、尾行開始。(緯度が高いので、まだ明るい。)
彼の一挙手一投足を、スマホでメモしていきます。
尾行録
結果から言うと、この日僕は彼を1時間20分尾行し、
その間彼は、
治安悪い地域 ⇒ ガスタウン(一番の観光地)⇒ 普通の街 ⇒ 治安悪い地域
と移動してゆくことになります。
まず、治安の悪い地域。
ここで彼は、とにかく地上に落ちているごみに関心を払います。
足で踏んで、中身の有無を確認。
気になったら拾い上げて、戻す。
残念ながら、収穫はなかったようです。
続いて、ガスタウンに移動。
観光地だけあって、地上にはごみが落ちていません。
しかし、逆にごみ箱は豊富に存在。
道沿いのごみ箱というごみ箱を、1つも逃さずに漁ります。
これが、結構見つかるんだな~食料が。
なんか食べてるなと思ってみたら、スイカでした!
次のごみ箱では、スタバのコーヒーの飲み残しを調達。
さらに、プリンのようなものを調達。
食べ終わったごみは、次のごみ箱で捨ててゆきます。
ガスタウン内の観光名所、蒸気時計に到着。
観光客はカメラを構えて時計を取り囲みますが、彼は時計に見向きもせずに通過。
僕も写真を撮っていたら、彼がぐんぐん進んでいくので走って追いつく💦
…とその時!!!
若い1人の女性に彼は声をかけているではないか!!!
これはアカンやつだ。
…でも、その女性は軽~くかわし、持っていたスーパーの袋を渡すことはありませんでした。
セーフ!
ガスタウンを抜けて、普通の街へと進みます。
そして、21時09分、なんと彼は、
バーガーキングに入店します!
まじか!!君の夕ご飯はバーガーキングかよ!!
なかなかいい暮らししてるじゃん!
…と思いきや、彼はずーっとバーガーキングのごみ箱を漁っていました。
5分後、両手に紙袋を持ち、お店から出てきました。
両手に抱えた食べ物は割と早めに食べてしまい、
ごみ箱漁りを再開。
そして21時40分。
彼は治安の悪いエリアへ戻ってゆき、これ以上の追跡は危険(この時点で空は真っ暗)と判断して尾行を終了しました。
働かなくても生きていける
彼らを見ていると、この街では
働かなくても命をつなぐことはできるのではないか?
と思いました。
食料は、ごみ箱からの調達と、支援団体からの配給があります。
↓実際に配給している場面に遭遇
加えて、観光客に中には、情けで恵みを与える人がまあまあいる。
実際に、別の女性浮浪者を10分間観察したとき、
彼女は1人の白人男性を捕まえて、コンビニでシリアルを購入してもらっていました。
そして、彼らが紙コップに入れてもらう銭は、
恐らくタバコや麻薬に使われます。
僕が追跡した浮浪者も、タバコを吸っています。
華やかな観光地の隣には、荒廃した人や街が存在し、
腐った人間たちは観光地にしみだして、恩恵をもらって腐り続ける。
かといって、荒廃した人間がなんの危害を僕らに加えてるかというと、
景観を害し、犯罪が起きやすい地盤を作っている、
くらいしか思いつかない。
これだけでも十分害かと言えば、害かもしれないけど、
彼らが僕らに攻撃をしてくることは余りないのでは、とも思った。
まとめ
まず、観光客は彼らにお金を渡してはならないという教訓。
助けたいなら、食料を渡そう。
お金は、タバコ・麻薬に使われる。
そして、
荒廃した人々と、その周辺環境
みたいなものに興味を持ち始めた。
日本にも、結構荒廃した街があるらしいので、
今後訪れてみたい。
以上です。
旅愁に苛まれている、成田空港から自宅への帰り道にて。